http://www.asj.or.jp/nenkai/2007a/html/T10b.html
銀河団中の高温ガスのバルクモーション及び乱流の測定は、 銀河団高温ガスの構造や進化をさぐる新たなツールになりえる。 特に、数1000km/sの速度で二つの銀河団が合体するマージング の過程で、それぞれの銀河団に付随する高温ガスがいかに混合され リラックスした系に移行していくか、バルクモーションの測定による ダイナミックな描像が期待される。 また、バルクモーションや乱流の測定は、通常、静水圧平衡を仮定する 銀河団の質量測定の精度を検証する上でも重要である。
ペルセウス座銀河団は全天でもっとも高いX線表面輝度をもち 鉄輝線のドップラーシフトを通してバルクモーションをさぐるのに 最適な天体である。 すざくXISでは、SWG期間内にエネルギースケールの較正を主目的 として、2006年2月、8月の2回の観測が行われている。2回目の観測では、 放射線損傷を補償するSCIという新たなCCD駆動方法もテストした。
鉄輝線のドップラーシフトを測定するのに最も重要なのが検出器(XIS)の エネルギースケールの精度である。XISのエネルギースケールの精度は0.2\%、速度に 換算して600km/sと評価されている。今回のデータ解析では、電荷転送方向 が 天空座標で互いに異なる4台のXISのデータを同時に利用して、エネルギースケールの 誤差(CTI補正の誤差)をさらに小さくする工夫を試みた。 続いて、検討すべきはスペクトルモデルの妥当性である。本発表では、以上の解析方 法と 検討結果を中心に紹介する(結果と議論に関しては、金丸他の発表参照のこと)
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